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第十話




次の日も文鳥を飼い、また殺し、
その次の日も文鳥を買ってまた殺した。

そのたびに母は泣き、耀司は片づけをした。

しかし次の日、母が鳥かごに入れていたのはカラスだった。
文鳥がだめだったのだと思ったのだろうか。

「母さん、カラスは汚いし不吉だよ。」

耀司はできる限りのカラスについての知識を述べた。
すると母は豹変し、耀司をぶった。
何度も、何度も。
耀司が吐いても蹴り続けた。

そして、抱きしめた。

「ごめんなさい、耀司、けどね、ヒロフミが傷つくわ、そんなこと言っちゃあ。」

母は完全に狂った。

夜になり、母が眠った頃を見計らい
鳥かごに近寄った。

「お前さ、明日殺されるんだよ。」

耀司は指先で鳥かごをつついて静かに言った。
その瞳は虚ろだった。

「いいえ、殺されませんよ。」

カラスもまた静かにそう言った。

耀司はカラスが喋った、という事実よりも
殺されないと断言したことに驚いたのだった。

「どうして?」

耀司は思わず聞いた。

「どうしてでしょう。」

カラスの喋り方はとても優しく、落ち着いていた。

その時だった。
母が目を覚ました。



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