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次の日も文鳥を飼い、また殺し、
その次の日も文鳥を買ってまた殺した。
そのたびに母は泣き、耀司は片づけをした。
しかし次の日、母が鳥かごに入れていたのはカラスだった。
文鳥がだめだったのだと思ったのだろうか。
「母さん、カラスは汚いし不吉だよ。」
耀司はできる限りのカラスについての知識を述べた。
すると母は豹変し、耀司をぶった。
何度も、何度も。
耀司が吐いても蹴り続けた。
そして、抱きしめた。
「ごめんなさい、耀司、けどね、ヒロフミが傷つくわ、そんなこと言っちゃあ。」
母は完全に狂った。
夜になり、母が眠った頃を見計らい
鳥かごに近寄った。
「お前さ、明日殺されるんだよ。」
耀司は指先で鳥かごをつついて静かに言った。
その瞳は虚ろだった。
「いいえ、殺されませんよ。」
カラスもまた静かにそう言った。
耀司はカラスが喋った、という事実よりも
殺されないと断言したことに驚いたのだった。
「どうして?」
耀司は思わず聞いた。
「どうしてでしょう。」
カラスの喋り方はとても優しく、落ち着いていた。
その時だった。
母が目を覚ました。
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