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材料を買って、私達はスーパーを後にした。
袋は芽依が持ってくれた。
華奢な腕は意外と力持ちだ。
しばらく歩いたが、芽依は口を開かなかった。
私が口を開くのを待っているだようだ。
「話ってなに。」
仕方なく私はもう一度聞いてやった。
待ってましたとばかりに、爽やかな笑顔をこちらに向けた。
「いやあ、ちょっと、コイバナでもしようかと。」
芽依の「コイバナ」の言い方がぎこちなくて
少し笑ってしまった。
芽依は一呼吸置いて、ゆっくりと喋った。
「北条はさ、耀司のことが好きなの?」
あまりにも唐突で、核心的な質問だった。
一瞬で顔が強張るのがわかった。
「なんとなく。」
けろっとした顔で答えた。
しかしそのあと、いや、と呟いた。
「好きっていうより、独占欲とか支配欲とか、そういうものを感じるんだよなあ、俺はさ。」
私は拳を握り締めた。
殴ってやりたいと思った。
握り締めた拳に気づいたのか、彼は言った。
「怒らせるつもりはないんだよ、ただ、知りたいだけなんだ、実際どうなわけ。」
芽依の言うことはあながち間違いではなかった。
私は彼に惹かれている。
しかしそれはただの恋ではないような気がしていたのだ。
独占欲、支配欲、そんなものよりもきっと、もっと高尚なもの。
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