忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第十六話




材料を買って、私達はスーパーを後にした。
袋は芽依が持ってくれた。
華奢な腕は意外と力持ちだ。

しばらく歩いたが、芽依は口を開かなかった。
私が口を開くのを待っているだようだ。

「話ってなに。」

仕方なく私はもう一度聞いてやった。
待ってましたとばかりに、爽やかな笑顔をこちらに向けた。

「いやあ、ちょっと、コイバナでもしようかと。」

芽依の「コイバナ」の言い方がぎこちなくて
少し笑ってしまった。
芽依は一呼吸置いて、ゆっくりと喋った。

「北条はさ、耀司のことが好きなの?」

あまりにも唐突で、核心的な質問だった。
一瞬で顔が強張るのがわかった。

「なんとなく。」

けろっとした顔で答えた。
しかしそのあと、いや、と呟いた。

「好きっていうより、独占欲とか支配欲とか、そういうものを感じるんだよなあ、俺はさ。」

私は拳を握り締めた。
殴ってやりたいと思った。
握り締めた拳に気づいたのか、彼は言った。

「怒らせるつもりはないんだよ、ただ、知りたいだけなんだ、実際どうなわけ。」

芽依の言うことはあながち間違いではなかった。

私は彼に惹かれている。
しかしそれはただの恋ではないような気がしていたのだ。

独占欲、支配欲、そんなものよりもきっと、もっと高尚なもの。



PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする:

Copyright © pinkie : All rights reserved

「pinkie」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]