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いつの間にか寝ていた。
夢を見たような気がする。忘れたけど。
起きてみると、ぼんやり数学の教師の顔が見えた。
「よく眠れたか、北条。」
「あ、はい。」
寝起きだったため判断力が鈍っており、
質問に素直に答えてしまった。
教室中から含み笑いが聞こえてきた。
「まったく、しっかりしてくれよ・・・。」
教師は私の隣で堂々と眠る男子生徒にも少し目をやったが、
ばつの悪そうに目を逸らし、注意はしなかった。
面倒だったからではない、校長の息子だったからだ。
授業が終わると、
眠っていた隣の席の彼が目を覚ました。
髪の毛は寝癖なのかくせ毛なのか、
いつも無造作にはねていた。
制服の着こなしもだらしがない。
「お早う。」
最高に目つきの悪い彼に言ってみた。
彼はこちらを向いたが返事はしなかった。
それで良い。
「ここ、わかる?」
さきほどの授業で解らなかったところだ。
私より寝ていた彼に聞くのは少し変かもしれないが、
彼は少しの間教科書を睨み、何かぶつぶつ呟くと、
説明を始めてくれた。
やっぱりすごい。
感嘆した。
校長の息子である、鳴海孝平は実に聡明だ。
ルックスからか、不良だと囁かれているがそんなことはない。
ただ少し目つきが悪く、無口なだけだ。
「ありがとう。」
そう言うと、彼はまた眠る姿勢に入った。
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