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放課後になり、私と耀司はいつもどおり一緒に帰った。
耀司は人気らしく、王子とかなんとか言われている。
だから私の友人はみんな私を羨ましがる。
一緒に帰るというだけではないか。
どこがいいのかと尋ねると、
大体がまずは顔だと答える。
だからあんたたちは相手にされないんだろうね、
なんて言えないけど。
雨はすでに止んでいたが、アスファルトに嫌な匂いが残っていた。
「あ、紅。」
耀司は一羽のカラスを見上げてそう言った。
少年のような目をしていた。
残念ながら私にはほかのどのカラスとも同じに見えた。
「私も話してみたいな。」
そう言うと耀司は、今度言ってみてやる、と偉そうに言った。
紅のことがとても誇らしいようだ。
家に着いて、耀司がどうして今日わざわざ私に
あんなことを言ったのか考えた。
芽依と小春を見る冷たい目と何か関係があるのだろうか。
そして何が足りないというのだろう。
私はとっさに「愛」なんじゃないかと思ったが、
耀司は愛なら足りているはずなのだった。
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