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第三話




「真琴って、優しいよね。」

あまりにも予想外な発言に、
飲んでいたお茶を吹きだしそうになった。

「いきなり何。気持ち悪い。」

冷静に言ってみた。気持ち悪かったのは本当だ。
そんなことを言う男ではない。

「本当のことなのに。」

嘘を言うような男ではないこともまた、わかっていた。
彼はむすっとしている。
子どものように拗ねる彼はなかなか可愛かった。

「ごめんごめん、まあ、じゃあ、帰ります。」

お茶を飲み干して、笑いながら言った。
しかし彼は信じられない言葉を発した。

「俺が寝るまで居て。」

「はあ?」

これには驚かされた。まぬけな声が出てしまった。

「それも隣人だからなわけ。」

さすがの私も敵意をむき出しにしてみる。
もう深夜二時をまわっているし、
早く寝なければ明日の授業に差し支える。

「真琴だからなわけ。」

それは決定的である。
私は知っている。

結局彼が寝たのは三時頃で、
次の日の目覚めが最悪だったのは言うまでも無い。



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