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「ちょっと、真琴。」
私、北条真琴はその男の声に突如として夢の国から引き剥がされた。
もう一度名前を呼ばれ、まだ眠たい目をこすりながら時計を確認する。
深夜一時半…?
そんな馬鹿な。
「まーこーとー。」
少しイライラし始めたので仕方なく口を開いた。
「何、襲いに来たの?」
「まさか。そんなことするぐらいだったらクワガタでも取りに行くね。」
私のジョークはあっさりとかわされてしまった。
清々しいほどの断定であった。
そして私はわざとらしく溜息をついてから言った。
「それで、本当に何の用。」
彼はまず穏やかな口調でこう言った。
「ゴキブリがでたんだ。」
このとき私には嫌な予感しかしなかったのだった。
そして次に彼は名探偵のように私に向かって人差し指を立てた。
そして、―笑顔。
「取れ。」
腹が立つほど爽やかな笑顔。
こんなことだろうとは思っていたが、また溜息がでる。
「嫌って言ったら?」
「言わせない。」
間髪いれずそう言った。
西崎耀司(ようじ)は依然として笑顔のままだった。
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